降るべきじゃない雨
繋がるとき、繋がらないとき。
願いが叶うとき、願いが破れるとき。
ねえ、人生って本当に色んなタイミングがある。
今日は雨の一日。
それはタイミングとしてあまり嬉しくない雨だった。
今日の雨は、なんとなく、降ってはいけない時に降っているような感じがする。
降る予定がなかったのに降ってしまった雨…。
「僕は生まれた時代を間違えた。タイミングが悪かったよ」
と、諦めを含んだ複雑な微笑みを浮かべて僕に話した人がいた。
「もう、死にたいよ」ともその人は言った。
「夏にね、いくら温度を下げて冷たくしても『冬』にはならないでしょ?」
その人は中性的な話し方をする。
女性の強い心と男性の繊細な器を持っている。
その人が女性なのか男性なのかは、、、秘密。
「冬の寒さは冬だけのものなんだ。タイミングだよ。死も同じ。
夏に寒くしてもそれは冬ではなのと同じように、死は向こうから訪れないと死じゃない。
自分で設定した死はほんものじゃないと思うんだよ」
死は季節。
だから、死は僕らが勝手に設定できるものではない。
死はいつか訪れるし、皆に訪れるという所は平等だ。
金持ちも権力者も関係なく。
だけど、死は向こうからやってくるから死。
それは自由には選べない。
僕は中学生の時「いざという時は死があるさ」と言い聞かせて色々と頑張った記憶がある。
でも、それは間違えだったという事だ。
死ぬ権利というものは自由じゃない。
死から選ばれなくてはいけないんだ。
ミュージカル「エリザベート」のように。
僕は、あらゆる「タイミング」を自分で演出できたら、と思う。
でも、いつもそのせいで僕は苦しむ事になる。
それでも、最近、少しずつ少しずつ、
季節に逆らわないで生きようと思えるようになってきた。
今日の雨…。
なんだか少し今日の雨が好きになってきた。
冬の寒さを感じるために暖房はつけず、
雨が降っている事を確かめるために音楽もかけず、
今日は静かな夜を迎えようと思う。







