テンペスト、おさらい。
【先日連れて行かれた大自然の教会を、裏の丘から見下ろした写真です】
元ミラノ大公プロスペローは、実の弟アントニオの企みによってその地位を奪われました。
ナポリの王アロンゾーと手を組み、今のミラノを治めるアントニオ。
物語は、
そのナポリ王ご一行とアントニオが乗る船が大嵐にあって難破するところから始まります。
プロスペローは学問に精通し、魔法まで使えるという大賢者。
ミラノを追われ、愛娘のミランダと命からがら辿り着いた無人島に今は住んでいます。
無人島と言えども、そこにはキャリバンという名の人間のような怪物が住んでいました。
初めは温かい心でその怪物に接しますが、次第に怪物は図に乗って来ます。
ある日、愛娘のミランダに暴行を加えます。
それで憤怒したプロスペローは、彼を魔法で痛めつけるのです。
そして、今となっては薪を運び、檻の中で住む奴隷のように扱っています。
そんな無人島での日々でしたが、
プロスペローは自分を見失わず、名誉挽回の機会を伺っていました。
そして、訪れたチャンス。
それが、
ナポリ王の娘がアフリカにある国に貢ぎ、
その結婚式のために一行で海を渡るという機会でした。
その結婚式の帰りに、プロスペローは下僕の妖精アリエルの協力の下、大嵐を起こします。
ナポリ王アロンゾー、その弟セバスチャン、ナポリ王の息子の王子ファーディナンド、
誠実で忠実なナポリ王の顧問官ゴンザーロ(この男のおかげでプロスペローは生き延びた)
使いの二人、ステファノーとトリンキュロー。
そして、憎き実の弟アントニオ。
ナポリ王とその弟、顧問官のゴンザーロとアントニオを一緒に島へ漂着させ、
ファーディナンドは独りきり、ステファノーとトリンキュローは二人きりで漂着させます。
さぁ、復讐の、始まりです。
まずは、愛娘ミランダとナポリ王子ファーディナンドを恋に落とします。
父でありナポリの王であるアロンゾーを、
船の難破で失ったと思って落胆している王子ファーディナンド。
その彼と、まだ無人島でしか生きたことがなく、
父と自分以外の人間をちゃんと見たことすらない愛娘ミランダを、
それぞれ引き合わせて恋に落とすのは、賢者プロスペローにとっては簡単なことでした。
二人の恋を深い物にするために、プロスペローは二人の恋仲を禁じます。
そして、キャリバン同様、奴隷としてファーディナンドを扱います。
引き裂かれれば引き裂かれるほど強くなっていく二人の愛。
その事を、プロスペローはよく理解しているのです。
少しでも抵抗しようものなら魔法の力で彼を痛めつけ、その力の差を見せつけます。
さぁ、この先、どんな復讐劇が待っているのでしょうか…