「扉を開けて、もしその先が広い荒野だったら、一瞬立ち止まって立ち尽くしてしまう。
新しい旅に出発する直前というのは、大体そんなものだよ。」
これは僕の所属する事務所レイヴンジャムファクトリーの社長、割田さんの言葉ですが、
今日のリリスでのコンサートの直前に、僕はこの言葉に救われました。
実は、22日の杉田劇場でのコンサート後、そのまま浜松入りして、
次のCD(12月発売予定)のレコーディングでした。
23、24日と録音して、25日には浜松からリリス入り。
さすがに少し疲れてしまったのか、僕は、楽屋でため息をついてしまいました。
でも、そのため息を見てから、割さんはさっきのようにコメントしたのです。
その言葉を聞いて、改めて僕は、ため息の原因が「疲れ」ではないことに気づきました。
そう。疲れじゃない。
コンサートを終えて、CDを録音して、おネエMANSのオンエアを観て…
何だか、一気に夢が叶いすぎて、次の扉を開けたときに、一瞬複雑な心境になったのです。
この感覚、何だか、本当に「荒野」に立たされた狼の気持ちだと思いました。
複雑に入り組んだ岩や崖を越えて、やっと登りきったと思ったら、
頂上には広い広い荒野が広がっていた。
登りきった達成感や満足感と、これからまた歩き出さなくてはいけないという決意。
その二つが、アンビバレンツな美学を生み出すのだ。
切ないような、孤独なような、幸せなような…。
人間の感情のカクテル状態。
そんな複雑な精神状態を割さん社長は上手く代弁してくれました。
そのおかげで、僕は自分を取り戻す事が出来ました。
この何日間か、割さん社長だけでなく、本当に色々な方に支えられていて、
その中の誰一人でも欠けてしまっては今の自分は成り立たないのだと確信しました。
録音の事はまた別の日記で書きますね。
皆さんは、片思いしているときと、恋が成就するとき、どちらが好きですか?
案外、人間は片思いで突っ走っている時に輝くものですかね?
でも、僕が荒野に立ち尽くす狼だとして、僕はこの先も、歩みをとめないと思います。
なぜなら、この世界に音楽を求めてくれる人がいるから。
なぜなら、僕は音楽を通して、気持ちを伝えたいから。
なぜなら、、、
この世界には、まだ愛という力が眠っているから。
みんなみんな、本当にありがとう。