清塚信也 OFFICIAL BLOG: DIARY

DIARY

2007.07.21

体験する大切さ

長野→岐阜が終わりました。
残すは明日の徳島です。
またまた、たくさんの方々にお会いできる事が楽しみです。^^

長野へは車で行ったので、公演2日目の16時ごろまで、長野を旅しました。
旧道の山道を深く深くまで辿って行き、遂には白馬村まで行って来ました。
僕はあまり東京から出た事がなかったので、あんなに山奥の道を運転するのは、とても刺激的でした。
うぐいすや、その他聞いた事のない声の鳥さんたちがたくさんいらっしゃいました。

ベートーヴェンの自殺する寸前まで追い込まれた気持ちを、優しく包み込むように回復させてあげた
田園風景は、きっとこんな感じで美しかったのだろうな、と実感しました。
そう。
実感って大切です。
想像だけで片付けようとするのが都会人の悪い癖だ。
実際に感じるという事が、どれだけ大切な事か。
広島の原爆ドームを見たときにも、同じ事を感じました。

「戦争はいけない」
そんな当たり前の事を、当たり前のように唱えていると、実感が薄れてきてしまう。
いけないということが頭で解ってるだけで、実際、被爆した方々がどれだけの地獄を体験したか、
それを忘れがちだ。
理解することと、感じる事。
この二つのバランスが取れていないと、口先だけの優しさになってしまう。
僕はそんな偽善者にはなりたくない。
だから、これからも、なるべく時間がある限り、体験しに足を運ぼうと思います。

皆様も、音楽は音楽会。
映画は映画館ですよ。^^

生の空気を体験して、損する事なんてな~んにもないです。

2007.07.19

DIARY

今日から、長野→長野→岐阜→徳島、と遠征が続きます。
長野へは車で行こうと思います。
パーキングエリアのソフトクリーム、けして食べたいとは思わないけど、あれが売ってるのをみるだけで
なんだか少年に戻ったいたずらな感じがします。

昨日、假屋崎省吾先生のお宅におネエMANSのロケに行ってきました。
先生はとてもとてもステキな優しい方でした。
まさに芸術家という名がぴったりのお方で、三輪明宏さんとの2ショット写真は、もう神の域でした。笑

おネエMANSは、とても面白い情報バラエティ番組。
土曜の17時30分からやっているので是非観てみて下さい。
世事にウトイかたは、特に必見ですよ!!

それでは、遠征へいってきま~す!^^

2007.07.17

メタルギアソリッド

「DNAに負けるな」

この言葉に何度救われたかわかりません。
僕がモスクワから帰ったときに丁度発売されていたゲーム、
「メタルギアソリッド」の中で言われていた言葉です。
過激なゲームや映画の影響のせいで少年・青年犯罪が増えてると指摘する大人がいますが、
僕は、それは大人の言い逃れだと思います。
ゲームも、映画も、僕にとってはとても重要なものです。
そこから教えられた事も、沢山あります。
救われた事も沢山あります。

ゲームや映画から影響を受けて犯罪に至ってしまう、その考え方自体を作り出す家庭環境が、
本当の問題なのだと思います。
いじめだって、「いじめをなくそう」というスローガンばかりで、根本が何なのか、何が悪いのかを、
本質的にもっと考えなくてはいけないと思います。

メタルギアソリッド。
少し難しいゲームですが、本当に奥が深い。
このゲームを作っているチームと、小島監督に、芸術家として敬意を表します。

モスクワから帰ってきて、色々な不安を抱えていた僕に、
「初めから決められているレールは、自分で壊せる」
という事を教えてくれた。
「DNAでさえ、人の力は越える事ができる」
そう教えてくれた。
ベートーヴェンの遺書の中の言葉、
「本当の幸福とは、辛い辛い不幸を跳ね除けてこそ、掴むことができるのだ」

やはり、偉人の言う事は、同じ方向を向いている。

そんな勇気を与えてくれたこのメタルギアソリッドというゲーム。
僕は、「よし、このゲームの音楽を弾いてやるんだ」と思い立って、歩き始めることができました。
そして、その目標に、今ようやく到達したのです。

このゲームの20周年の音楽の一部を弾かせてもらえることになりました。
CDは明日の発売です。
是非聴いてみてくださいね。

地震も、交通事故も、全てその人にのしかかる不幸と言う名の「宿命」。
でも、それを跳ね除けてこそ、本当の幸せを手に入れる事が出来ます。
だから、不幸を手にしたとき、その人には、本当の幸福を手に入れる権利を手にしたことになります。
本当に強い不幸を感じている時、そんな流暢なことを言っていることが出来るかどうか、わかりませんが
でも、それでも、諦めないで歩き続けましょう。

人はDNAにだって、負けないんだから、

決められたレールを、打ち壊してしまいましょう。

DIARY

今日は新宿でサロンコンサートがありました。
リストとショパンは対照的な事が多いと以前僕は言いましたが、
もう一つ彼らが対照的だったものに、演奏する会場の大きさ、も入ります。
リストは、出来るだけ大きいところで、一度にたくさんの人に聴いてもらえるようにしたかった。
ショパンは、出来るだけ小さいところで、細部まで拘って、身近に質の良いコンサートをしたかった。
どちらも「ピアノの天才」でしたが、弾く打鍵の強さにも差があったのでしょう、
やはり、リストの楽譜にはフォルテ(強くという意)が多く見られます。

今日は、まさにショパンが好んで弾きそうな広さと人数でした。
会場もおしゃれで、僕も充実したステージに立てました。
たけしの誰でもピカソの取材班がまた起こしになられていて、またまたオンエアが楽しみです。
皆さん映ってるかなぁ~^^

今日は大変な地震があったようです。
今こうしている間にもとても苦しい思いをしている方がいると思うと、自分の無力さを感じます。
もうすぐ長野にコンサートに行きます。
少しでも、苦しみや悲しみから解放できるよう、毎日心を込めてピアノを弾こうと思います。

明日は月刊ピアノという雑誌の取材です。
皆様から頂いたお手紙や頂いたかわいい粘土などを眺めながら、お休みをします。
皆様にもどうか幸せな夢が訪れますように。
地震で大変な思いをされている方々にも、安眠が訪れますように。

いつも本当にありがとうございます。

2007.07.13

人間だから

よく、音大生にいるパターンで、ベートーヴェンやショパンといった大作曲家たちのことを、
「神様」だと思っている人がいる。
確かに、神でしか成し遂げれないような音楽を彼らは僕たちに残してくれたけれど、
彼らの存在は、神そのものではない。

ベートーヴェンは、幼い頃に父親から受けた虐待やその他の厳しい生活環境のせいで、
大人になってからも、「躁鬱」や「フラッシュバック」などに苦しんだ。
ショパンだって、自分を音楽以外で表現したくないといった人間らしいところがあったし、
初恋の相手には、声さえかけられなかった。

そう、どんな大家でも、結局のところ「人間」なのである。

むしろ、そんな人間的なところがあるからこそ、いい音楽なのではないだろうか。
本当に神様が作った音楽なら、これほど感銘しただろうか。
作曲家たちが、悩み、不安を抱え、悲しみ、苦しみ、ときには喜び、幸せを感じて、その結果できた音楽
だからこそ、僕たちは今、深く感動できるのではないだろうか。

自分が嫌いになっているとき、周りにいる人間がやけに「強く、勇ましく」感じる。
人間には、「劣等感」という悪魔が潜んでいるからだ。
僕の周りにもいるし、僕だってときにはその悪魔に取り憑かれる。

ただの友達ですら、僕なんかよりずっと音楽の才能があるのではないか、と不安に思ってしまう。
誰だってそうなんだ。
ベートーヴェンだってショパンだってそうだったんだ。
でも、そんな悪魔に取り憑かれたときこそ、本当の力がためされる。

最後まで、自分を信じてあげられるか。
本当のライバルは、自分自身だということに気付けるか。

この二つがキーである。
それのどちらかでも崩してしまうと、あっという間に悪魔の餌食になってしまう。
一度失った生きるサイクルは、中々元に戻せない。
一度自分を嫌いになると、ずっとそのまま深い痛手を負った状態が続く。

でも、罪悪感や劣等感に対抗する力はある。
それは、愛と達成感です。

他人を思いやる優しい自分。
誰かを深く愛して上げられる心の自由な自分。
どんな高い壁でも、どうにか登りきってやろうと挑戦する勇ましい自分。

そう、自分を好きになってあげられる状態にもっていくことです。

まずは、規則正しい生活から。
ちゃんと寝て、ちゃんと食べて、健康をたもつ。
そして、ちゃんと勉強して、ちゃんと働いて、未来への前進を体感する。
それから、人に優しく、自分にも優しく、全てのものへの感謝と愛を忘れずに生きる。
ここが重要です。
ここで、大体挫折してしまう。
全てのものへ感謝と愛を送るには、時には、絶対許せない事をも許さなくてはいけない。
時には、歯を食いしばって笑っていなくてはいけない。
だけど、何かを憎んだときより、何かを許せた時の方が、自分を好きになれるという事を忘れないで。
それが出来たら、後は人生を突っ走るだけです。^^
自分の夢に向かって、目標に向かって、突っ走るだけです。
もう、がむしゃらに、ただひたすら信じて。
先に道が続いていると、信じて進むのです。

ただ、突っ走っていると、いつしか今まで気付きあげてきた、
「自分を好きでいる法則」が崩れているので、時には振り返ってみましょう。

僕は、そうやって生きています。
偽善って言われるかもしれないけれど、騙されたと思って人を愛してみたり許してみたりすることで、
何かが始まることもあるのですよ。
あなたが、幸せのバトンを止めない限り、きっとそこには意味がある。

初めから強い人は、勇気を持つ事が出来ない。

弱いからこそ、前へ進むための勇気が必要なんだ。

その、「勇気を持つ」という過程で、たくさんの芸術が生まれた。

ベートーヴェンやショパンは、「神様」じゃないけど、神様が嫉妬するような、人間臭い、見事な芸術を
生み出したと思う。

苦しんでいればいるほど、あなたは生きている価値がある。

勇気を持てたときに、人に渡してあげれる「愛」をたくさん持っているのだから。

ただ、僕が切に思うのは、

           「あなたのその勇気を、無駄にしないで」

                                ということだけです。

どうか、この世に、不正な目に遭っている人がなくなりますように。
僕は今日も、それを願ってピアノを弾くまでです。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43