清塚信也 OFFICIAL BLOG: DIARY

DIARY

2010.02.02

生きるというのは表現すること

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【この僕のふあふあな顔をみてください。左が佐藤順先生です】

  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
 
北海道の帯広にある「大和鍼灸接骨院」の先生は佐藤順先生という。
佐藤先生は数多くの著名人を治療なさっていて、
治療場のロビーにはプロスポーツ選手や芸能人、
音楽家では葉加瀬太郎さんやNAOTOお兄ちゃんの
サイン付きの写真などが、所狭しと飾ってあります。

帯広へは今回で3回目になるでしょうか。
3回とも帯広「旭楽器さん」の主催でコンサートをさせてもらっています。
自慢じゃないけど、3回とも350席くらいのホールが満席で、
これは帯広では凄いことだ…とホールの人も言ってました。
まぁ、旭楽器さんのおかげなんですけど。
旭楽器のスタッフさんとも、行くたびに仲良しになっている気がします。
特に、今回はぐっと近づいた気がしました。

佐藤先生のご紹介で、
帯広の「FM-JAGA」さんのラジオ番組にも生出演させてもらいました。
パーソナリティ栗谷昌宏さんの番組に出させて頂いたのですが、
DJのMIHOさんとも仲良くなりました。
MIHOさんはNAOTOさんとも仲良しで、
NAOTOさんは帯広に来た時には、よくMIHOさんの番組に出演されています。

最初帯広に行った時は、まだ誰とも知り合いじゃなかったし、
初めて行く土地のコンサートということで、僕でも少しは不安になったりしました。
でも、気付けば色々な所での出逢いが「帯広」という場所で結ばれていて、
気付けば友人だらけ。
僕にしてはすごく珍しい現象です。
そういう事がすごく愛しく思える…そんな帯広の旅でした。

僕、本当はこういうブログ書くの大嫌いなんです。
よく「ブログなのに何で日記みたいなことを書かないの?」って訊かれることがありますけど、
ブログってそういうことを書くところなんでしょうか?
あと、スタッフへの挨拶とかそういう礼儀周りのことを
ブログに書かなきゃいけない、と言われることもあるけど、そうなのか…?
僕はありがたいと思ったら、個人的に伝達する方法をとります。
別にブログじゃなくてもいいじゃないか…と思います。
オフィシャルなところでの挨拶や謝礼も確かに効果的なんだろうけど、
僕はそういう事は個人的にやりたいので、オフィシャルなところではやりたくない…。

佐藤先生に針治療を受けているとき、
僕は何だか筋肉の脱力と共に気が遠くなっていって、
自分のイメージの世界に入って行けた感じがしました。
旭楽器の社長さんが去年歩いている時に転んでしまって、
腰を悪くしてしまったようで(今佐藤先生が治療中)、
「お酒を飲んだら何ともなくなって、つい無理な動きをしちゃうんだけど、
そうすると翌朝また悪くなってるんだよね」と言っていました。
なんだか、この言葉って、僕の生活と同じ感じがするなぁと思いました。

帯広のコンサートは大変盛り上がりました。
ホールが一体になってる感じというか。
そういう時、僕は自分の人生のことなんてどうでもよくなる。
…というか、忘れる。
アンコールなんかで、みんなの「ガード」が下がっていって
身体全体で僕の音を受け止めてるって感じられるとき、
僕は鳥肌が立つほど快感を得る。
その時はね、本当に、死んでも絶対後悔しないって思える。
「ああ、これが生きるってことだ」って心から思える。

で、コンサートが終わって、サイン会なんかでみんなと触れ合って、
誰もいなくなったホールでステマネさんとかに挨拶して、楽屋に戻る。
そこで、僕は現実に戻される。
魔法のかかった時間は、一瞬でどこかへ去ってしまったようだ。

「酔いがさめると、痛みが増して戻ってくる」

まさに、楽屋で一人になった僕には、痛みが押し寄せてくる。
その痛みは、他の色々な痛みを助ける。
例えば、グリッサンドでヒビ入った爪なんかの痛みを10倍くらいにしてくれてしまう。
こうした、ふとした時に、痛みはやってくる。
僕みたいに不器用に気張っていきがって生きている人は特に、
いつも抑えつけてる痛みが大反乱を起こして襲いかかってくる。
まぁ、それくらい佐藤先生の治療は気持ちいいってことなんですけど。

佐藤先生の治療院では、葉加瀬さんやNAOTOさんのヴァイオリンが流れてました。
その「残り香」が、帯広から東京に帰る時の飛行機でも僕の周りを漂っていて、
沈みかけている夕日なんかとマッチして、僕の人生のBGMみたいになってくれた。

僕がこんなだから、心配する人がいる。
…結構たくさんいる。
そして、心配させることを快く思わない人もいる。
あいつ、思わせぶりに心配なんかかけやがって。
だから、はっきり言うけど、僕に心配は「ゼロ%」も要りません。
1%じゃないですよ、ゼロです。
心配の「し」の字も要らないってことです。
心配なんて、僕は悪口よりもしてほしくないです。
僕はただ、

ただ、なんだろう。

ただ、の後が出てこない。
ただ、何でもない。
そう、ただ、何でもないんです。
別に、何の用事もありません。
そうだ、ただ、僕は「表現」しているんです。
生きることは、表現だ。
命を貰ったからには、表現をしなくてはいけない。
これは、命を貰ったものに与えられる義務です。
愛は呪いです。
ハッキリ言って、僕は「こんな面白くない人生なんて」って思うことよくあります。
でも、表現せずにはいられない。
生きるからには空気を吸うように、表現もしなくてはならない。
で、大切なのは、表現というのは「客」がいて成り立つということ。
だから、人が必要だ。
それで、夕日なんかみて感傷的になったり、
僕の周りで僕を介して人が出逢う事が愛しく思えたりする。

今は、帯広へ旅立つ時に「トム・クルーズ」の映画を観ていたから、
帰った時も…ということで「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」を観ています。
僕はこの「トム・クルーズ」が一番好きだなぁ。
ヴァンパイアは時代に不老不死だけど、
唯一弱点があるとするなら「日光」と「時代に置いてかれること」だそう。
すごく知的ですよね。
知的で美しいルールだ。
夜に生きて、社会に置いてかれちゃいけない。
それって音楽家に似てる。
深読みすれば、もしかしたら、足りないところを補うという以外にも、
ヴァンパイアとして生きていくためには、
罪悪感や人間味を忘れてはいけないということかもしれない。

さぁ、そろそろ文字を考えるのも疲れてきました。
長文お疲れさま。

あと、心配してくれてる方、ごめんなさい&ありがとう。

これはブログだけど、ものすごく個人的なコメントとして受け取って下さい。
でも、心配は無用ですからね。
あと、悪口を言ってくれてる人も良口を言ってくれてる人も、ありがとう。

僕はあなたたちがいるから、表現していられるんです。

2010.01.27

出発前

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【昨年12月札幌キタラ公演の際、ホールのロビーから写しました】


今日は帯広(北海道)へと旅立ちます。
今は羽田空港に向かう直前。
仕事はなしにして、お風呂に入ったり、
YouTubeで改造マリオを見たり、
BGM替わりに映画を流したりしています。
流している映画は「バニラスカイ」しようかと迷ったのですが「カクテル」。
なんとなく、トムクルーズの演技が観たくなったというわけです。

「カクテル」はラズベリー賞にも選ばれるくらい酷い映画だと言われました。
(注)ゴールデン・ラズベリー賞 → http://www1.kcn.ne.jp/~pop/gra/gra00.html

専門家からすると、映画専門技術的に色々問題があると言うことらしいけど、
そんなの関係ねえじゃん…というのが僕の意見です。
僕は好きだなぁこの映画。
確かに、かなり安っぽい表現だなと思うところもあるし、
流れる音楽もあんまり好きじゃないし、
トムクルーズの演技もそれほど素晴らしいものじゃないんだ
…ということは素人の僕にでさえわかる。
でもトムクルーズの演技は、この映画に限っては
「ヘタ」なのではなくて「あどけない」ように見えます。
「へたうま」っていうのかな、こういうのが。

大学の先生に反抗したり、
彫刻家のパウエルさんに対して楯突くとことか、
この主人公には社会の中にある同調や権力に対して
決して流されないという頑固な姿勢があるものの、
それだけでは大人として生きていけないという矛盾や葛藤が見え隠れ。
まぁ、大抵の人間が多かれ少なかれ同じような悩みを抱えることになるし、
今さら映画にして声を大にして言うようなことではないけど、
何だかそういう当たり前のことを理解していて
映画にしてくれる人が世の中にはいるんだと思うと、
少し安心するのはなぜだろう。

まぁ、とにかく、書くことがないので…

いや、書きたいことが多すぎて、
頭が混乱しているので、
こんな内容のブログを書いてみました。
あしからず。

それじゃあ行ってきます。

2010.01.15

反省文

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【僕はきっと、死ぬまでピアノに向かう】

  ☆   ☆   ☆   ☆

当たり前の事なんだけれど、人生は一度しかない。
僕が僕として、あなたがあなたとして生きていられる時間は限られている。
この事を思うと、どんなことでも頑張ってやらなきゃという危機感を覚える。

「やるのか、やらないのか」

人生にそのような選択肢は無いように思う。
頑張った事が自分にとって有意義だったかどうかなんて、
やり終わってから「感想」として自分の中だけで思っていればいい。
僕はいつも、そう言い聞かせて「危機感」を持たせて自分を奮い立たせているのだけれど、
その危機感は、いつのまにか、無くなってしまっている。
掌からこぼれ落ちる水のように、いつの間にかどこかにいってしまっている。

ゲーテのファウストでは、
神様が「人間はライバルがいないとすぐ怠けるから、人間を沢山創った」と言っていた。

その通りだと思う。
でも、ライバルは必ずしも他人じゃなくていい。
自分の中にいる自分でもいい。
僕みたいに人と競争するのが苦手な人もいるだろうし。

大切なのは「達成感」だ。
一歩でも進めば、それを褒めることが出来る。
そうやって、一歩一歩、確実に歩いていくんだ。
一度しかない人生…。
自分の出来る精一杯のところまで歩いてみたい。
少しでも高い山を登りたい。
こんな時に限って、美しいモーツァルトの音楽が流れている。

まずは、怠けた自分を赦して、第一歩から始めようと思う。

まぁ、今でも全然思っていないんだけど、
「出来るならもう一度人生を初めから…」なんて微塵も思えないくらい、精一杯頑張った人生がいい。
死ぬとき「あぁ、やっと休める」って言えるような人生がいい。

一生って、儚いね。

年齢的なものなのか、
同じ世代の友人に子供が生まれたり、知人が亡くなってしまったりと、
人の一生がリアルに見えるようになってきた。

人は生まれ、死んでゆく。
この限られた時間の中で、僕たちは一体何を見出せるのだろう?

こういう事を考えてるときにモーツァルトが流れててくれてよかった。
ほんとうに。

2010.01.04

無題

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【昨年9月18日、北海道文化放送「のりゆきのトークDE北海道」出演の際に披露した作品】

おめでとうございます。
うん、なんだか、「行事嫌い」で生きている僕からは、
世の中の「節目」というモノの感覚がなくなってきたみたいだ。
誕生日、クリスマス、お正月………

子供の頃から僕は「行事」というものが嫌いで、、、
うーん、嫌いというよりか、苦手という感じかもしれない。
そういうのがあんまり「ぴんとこない」ので、
「ほらー。今日はクリスマスよー」とかいう
家庭的な場面に出くわしてもあんまり楽しめなかった。
「え、なんで? 誰が今日が特別だって決めたの?」
って思うことばかりでした。
あー、こんな子供…自分では絶対もちたくない。

「特別じゃない日おめでとう!」って
不思議な国のアリスで誰かが歌ってた気がするけど、
僕もそういう楽しみ方なら出来ます。
別に社会的には特別な日じゃなくとも、
僕にとっては特別な日っていう楽しみ方。

例えば、夏の真昼に突如として現れる通り雨とか、
ストライキで動かないバスや地下鉄とか、
すごく忙しい日の帰りに高速道路から見える夕日が綺麗な日だとか。
そういう何でもないことの方が
クリスマスだとかバレンタインだとかよりもずっと特別に感じます。

でも、なんといっても、お正月のいいところは、
外に人があんまりいないことですよね。
特に夜中は。

ということで、今年のお正月は夜ドライブを楽しみました。
ふら〜っと出ても、どの店もやってないし、しーんと静まりかえってる。
たまにやってるスターバックスのドライブスルーとか、
らあめん屋さんだとかに寄って楽しみました。
スターバックスの「ほうじ茶ティーラテ」…。
もう、このお正月はこれにつきる!
最高だ。

パジャマに毛が生えたみたいな「ほぼパジャマ」で外出できるのも、人が少ないからですね。
らあめん屋、映画館、お茶が出来る場所、病院、コンビニ…
そういう場所って、その土地その土地の空気が象徴されていて、
そういう所にふらーっと行くと、まるで僕がその土地のどこかに
引っ越してきたみたいな感じで、最高に、気分転換になる。

さて……。
僕は新年からいったい何を喋っているのだろうか……

まぁ、今年もこんな感じでマイペースにいきます。
賛辞も批判もありますけどねー、えー、そんなのどうでもいいでーす。
今年はショパンの年ですので、是非この機会にショパンの魅力に触れてみて下さい。
孤独な心には、やっぱりショパンのノクターンですよ!

2009.12.20

ありがとうございます。

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【9月18日、北海道文化放送「のりゆきのトークDE北海道」生放送終了後、出演者の皆様と】


みなさん、こんにちは

最近、地方のコンサートが沢山ありまして、
なかなかブログを更新出来ていません。
それでも、各地方でのコンサート終了後、
「ブログも楽しみにしています!」と
言ってくれる方々が結構いるのに感動しました。

僕はブログを書くのにそれほど時間を要していません。
長文ですごいねぇ…と言われる事もありますが、
僕にとっては「短い文」を書く方が時間がかかります(笑)。

なので、それほど負担にはなっていないのですが、
さすがにこのところは更新出来ませんでした。
それは、今の僕の生活の中で、
ブログを更新する…という流れに
なかなかならないからなのです。

東京→鹿児島→東京→熊本→佐賀→東京→水戸→東京→福岡→東京→岐阜→大分…

……なんていう移動を数日間でやりました。
「大変でしょ!」ということではなくて、
「幸せでしょ!」という風に僕は言いたい。

僕の人生の夢がひとつ叶ってしまいました。
ひとり旅をしながらコンサートをして回る。
これほど幸せなことはありませんよ。

そうすると、皆さまには悪いのですが、
あまりに充実感がありすぎて、ブログを更新出来なくなってしまうのです。

だから多分、僕にとってブログは
自己カウンセリングに近いものがあるのかもしれません。
それを公開して読んで貰ってるのだから、
それはかなり自己満足に近いものだと僕は思います。
でも、それでも「更新待っています!」と楽しみにしてくれている方々、
本当にありがとうございます!

さて、怒濤のコンサートラッシュの締め括りは北海道…かな?
青島広志先生と、仲良く「連弾」なんかしちゃいます。
札幌「キタラホール」は最高に素晴らしいホールですし、
ここのヤマハのピアノ…これが良い音がするんだな〜。
今から楽しみです!

北海道にいる友人やスタッフの方々にもお会いできるのも、
これまた楽しみです!

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